広島工業大学Fab Lab / 村上 修二 副学長兼ラボ長

講義棟「三宅の森Nexus21」4階に、デジタルデータから創造物を制作するデジタルファブリケーション技術を体験できる、ものづくり工房「Fab Lab(ファブラボ)」を4月に開いた。
「デジタルファブリケーションという名称は仰々しいが、パソコンで描いた絵を多彩な素材に印刷したり、友達とおそろいのキーホルダーを作ることも立派なものづくり。最新技術に気軽に触れ、発想を形にすることで、創作意欲の原点である『つくる楽しさ』を身近に感じてほしい」
高さ1㍍ほどの造形ができる大型3Dプリンターや手持ち型の3Dスキャナーなど、誰でも簡単に使える最新のデジタル工作機器を集めた。現在は学生と教職員が授業やワークショップで使うほか、一般向けに見学会などを開いている。2026年度以降、企業や行政など一般利用もできるように順次体制を整える予定。地元企業とのコラボレーションや共同研究での活用も視野に入れる。
「ものづくりが基幹産業である広島において、若者の理系離れは深刻な問題であり、これまでも地域の工業大学として対策を講じてきた。学内利用のみならず、地域の子どもたちがものづくりの楽しさを知るきっかけを提供していきたい」